オーケストラの楽器の特徴と有名曲
2023-01-15
はじめに
私は将来、一作曲家としてオーケストラの曲を作曲したいと思っています。 ただ、今までやってきた西洋楽器はピアノくらいなものなので、 オーケストラの楽器については一から勉強する必要があります。
私の作曲の手段は基本的に打ち込みのみですが、 各楽器の特性を知っていないと無茶な音域や音型で作ってしまうことになります。 それは本意ではないので、きちんと楽器の特性を把握して効果的に作曲したいものです。 (もし叶うのならば実際に演奏してみたい)
なので、まずは各楽器の特徴や有名な曲をざっくり調べてまとめてみました。 まずは以下の曲などを聴いて楽器の特性を把握したいと思います。
木管楽器
ピッコロ
ピッコロはフルートの長さを半分にして、1 オクターブ高い音が出るようにした楽器です。
オーケストラの楽器の中で最も高い音が出るのでハイトーンを担当します。 メインで使われるというよりは、フルート奏者が一時的に持ち替えて使われることが多いです。
高い音は耳に入りやすいのでこれを使うと目立ちます。
<ピッコロが活躍する有名曲>
- 交響曲第 5 番ハ短調『運命』第 4 楽章/ベートーヴェン
- 星条旗よ永遠なれ/スーザ
- 交響曲第 4 番第 3 楽章/チャイコフスキー
フルート
フルートは倍音の少ない澄んだ音が特徴で、鳥の鳴き声のような音がする楽器です。 甘い優雅なメロディを担当します。
素早い運指も可能で、スピード感のある演奏もできます。
<フルートが活躍する有名曲>
- 牧神の午後への前奏曲/ドビュッシー
- 「アルルの女」より『メヌエット』/ビゼー
- ハンガリー田園幻想曲/ドップラー
オーボエ
オーボエは木管楽器の一種で、繊細かつ息の長い、高い表現力が求められるメロディが得意な楽器です。
音域によって音色が異なり、低音域では暗く、中音域では哀愁があり感情豊か、 高音域では明るくキンキンした音色になると言われています。(得意なのは中音域です)
また、ロングトーンも得意で、フルートと比べて二倍三倍も長い音を出すことができるのも特徴です。
<オーボエが活躍する有名曲>
- 「白鳥の湖」より『情景』/チャイコフスキー
- オーボエ協奏曲ハ長調 K.314/モーツァルト
- オーボエ協奏曲ニ短調第 2 楽章/マルチェッロ
クラリネット
クラリネットは木管楽器の一種で、広い音域を柔らかい音色でカバーするのが得意な楽器です。
また、ブルーノートの微妙な表現力が要求される演奏も得意で、ジャズに使われたりするのも特徴です。
作曲の際の注意点として、フラット系の楽曲は B 管、シャープ系は A 管のように別種のクラリネットが必要なため、 同一楽章内で持ち替える場合は十分な休符が必要です。
<クラリネットが活躍する有名曲>
- ラプソディ・イン・ブルー/ガーシュウィン
- クラリネット・ソナタ/ブラームス
- だったん人の踊り/ボロディン
ファゴット
ファゴットは木管楽器の一種で、低音で支えたり、コミカルな雰囲気を作るのが得意な楽器です。 前者の用途としては音域が低音域に広く、木管のハーモニーに厚みを持たせることができます。 後者の用途としてはクセのあるちょっと不気味な音色がするため、それが効果的に使われることがあります。
<ファゴットが活躍する有名曲>
- 「ペール・ギュント」より『山の魔王の宮殿にて』/グリーグ
- 交響詩『魔法使いの弟子』/デュカス
- 春の祭典/ストラヴィンスキー
金管楽器
トランペット
トランペットは金管楽器の一種で、メロディを担当することが多い楽器です。
金管楽器の中では最も高い音を出してはっきり音が聞こえるため、ファンファーレの主役として適しています。
とにかく目立つ花形楽器のため、トランペットソロから始まる曲も沢山あります。
<トランペットが活躍する有名曲>
- 「展覧会の絵」より『プロムナード』/ムソルグスキー(ラヴェル編)
- ツァラトゥストラはかく語りき/R.シュトラウス
- 交響曲第 5 番嬰ハ短調第 1 楽章/マーラー
ホルン
ホルンは金管楽器の一種で、ハーモニーに厚みを持たせるのが得意な楽器です。
無理なく柔らかい音を重ねられるので、和音作りに重宝するそうです。 特に開放音(バルブを使わずに吹く音)によるドミナントの五度の和音は「ホルン五度」と呼ばれ、使われています。
哀愁のある音色を出すこともでき、その効果を狙ってソロで使われることもあります。
<ホルンが活躍する有名曲>
- 「惑星」より『木星』/ホルスト
- ホルン協奏曲第 1 番ニ長調 K.412/モーツァルト
- 亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル
トロンボーン
トロンボーンは金管楽器の一種で、ハーモニーの中低音を担当することが多い楽器です。
また、管をスライドさせて音程を合わせる構造上、グリッサンドやポルタメントができる金管楽器としても使われます。
微妙な音程変化が求められるジャズでは重宝されるようです。
<トロンボーンが活躍する有名曲>
- 「ニーベルングの指環」より『ワルキューレの騎行』/ワーグナー
- 「レクイエム」より『トゥーバ・ミルム』/モーツァルト
- オリオン・マシーン/吉松隆
チューバ
チューバは金管楽器の一種で、ハーモニーの低音を担当することが多い楽器です。
オーケストラにおいては必須楽器ではなく、どちらかというと吹奏楽で活躍する楽器です。
出せる音域は広いですが、得意な音域は中音域になります。
<チューバが活躍する有名曲>
- バス・チューバと管弦楽のための協奏曲/ウィリアムズ
- 幻想交響曲第 5 楽章/ベルリオーズ
- 交響曲第 1 番『巨人』第 3 楽章/マーラー
打楽器
ティンパニ
ティンパニは打楽器の一種です。リズムをとるだけでなく、ペダルによって音程調節もできます。
他の打楽器にないパターンとして、他の楽器がリズミカルな演奏をしたときに追随して演奏するパターンがあり、 ティンパニの音でうまく全体の音楽をつなげることができます。
<ティンパニが活躍する有名曲>
- 交響曲第 9 番第 2 楽章/ベートーヴェン
- 交響曲第 5 番第 4 楽章/ショスタコーヴィチ
- 交響曲第 103 番『太鼓連打』/ハイドン
弦楽器
ヴァイオリン
ヴァイオリンは弦楽器の一種で、オーケストラの主役を担当します。 オーケストラのコンサートマスターも通常第一ヴァイオリンの首席奏者が担当します。
弦楽器の中では一番高い音が出て、メロディを担当することが多いです。
表現が多彩で、いくつかの奏法が存在します。
<ヴァイオリンが活躍する有名曲>
- G 線上のアリア/バッハ(ウィルヘルミ編)
- 愛の挨拶/エルガー
- アイネ・クライネ・ナハトムジーク/モーツァルト
ヴィオラ
ヴィオラは弦楽器の一種で、ヴァイオリンを一回り大きくしたような見た目をしています。
音域はヴァイオリンの 5 度下にあたり、 ヴァイオリンとチェロの間を取り持って弦楽パートのハーモニーに厚みを持たせる役割があります。
ヴァイオリンよりも人の声の音域に近いため、親しみやすい音色が期待できます。
<ヴィオラが活躍する有名曲>
- ヴィオラと管弦楽のためのロマンス/ブルッフ
- 無伴奏ヴィオラのためのソナタ/ヒンデミット
- ヴィオラ協奏曲/テレマン
チェロ
チェロは弦楽器の一種で、ハーモニーの中低音やメロディを担当します。
ヴァイオリンやヴィオラよりも大分弦が長いため、その分響きもかなり豊かになります。
また、弓を使わずに弦を弾くピチカート奏法も得意です。
<チェロが活躍する有名曲>
- 「動物の謝肉祭」より『白鳥』/サン=サーンス
- 「無伴奏チェロ組曲第 1 番」より『プレリュード』/バッハ
- チェロ協奏曲ロ短調/ドヴォルザーク
コントラバス
コントラバスは弦楽器の一種で、ハーモニーの低音を担当します。
安心感かつ重厚感のある低音でオーケストラを支えることが多い反面、メロディを担当することはあまりありません。
チェロとオクターブのユニゾンを弾くと効果的と言われています。
<コントラバスが活躍する有名曲>
- 交響曲第 9 番第 4 楽章/ベートーヴェン
- コントラバス協奏曲嬰ヘ短調/クーセヴィツキー
- 「動物の謝肉祭」より『象』/サン=サーンス
まとめ
今回はオーケストラの各楽器について、特徴や有名な曲をまとめてみました。 具体的な音域や得意な表現についてはまだ全然触れられていませんが、追々調べていくことにします。